もう迷わない!権限セットで始める新しいSalesforce管理術【Spring '26対応】
- 椙山 良菜
- 7月22日
- 読了時間: 4分

Spring '26から、Salesforceの権限管理が、大きく変わっていきます。
これまで当たり前だった「プロファイル中心」のやり方が見直され、今後は「権限セット」と「権限セットグループ」での管理が主流になります。今後、プロファイルでは新しいアクセス権が設定できなくなるため、今のうちから準備を進める必要があります。
この記事では、この変更にどう対応すればいいのかをわかりやすく整理していきます。
目次
権限管理の移行
プロファイル運用の限界
今後の権限管理
移行に向けた4ステップ
まとめ
1.権限管理の移行
一言でいうと、プロファイル中心の権限管理から、権限セット&権限セットグループ中心の管理に完全移行する、というのが今回のポイントです。
これまで使われてきた「プロファイル」での権限管理ですが、Spring '26以降は、プロファイルに新しい権限を追加できなくなります。つまり、プロファイルはログインアクセスやユーザタイプの定義など、基本的な属性管理のみに使われるようになります。
そして、すべてのアクセス権限やオブジェクト操作権限は、権限セットもしくは権限セットグループで管理することが推奨され、やがて標準化されます。
主な変更点まとめ
Spring '26以降、プロファイルに新たなアクセス権限を追加することが不可に
権限セットと権限セットグループによる権限管理が標準に
プロファイルは主に「ログインアクセス・UI設定」などの基本情報のみを管理
2.プロファイル運用の限界
これまでのSalesforceでは、「プロファイル」がすべての権限設定の中心でした。
〈例〉
ログイン可否、ページレイアウト、レコードタイプの割当て
オブジェクト/項目の参照・編集権限
ApexクラスやVisualforceページへのアクセス権
とにかく何かユーザーに設定するとなれば「プロファイル」でしたが、プロファイルには1人のユーザーに1つまでしか割り当てられないという制約がありました。
そのため、例えば営業チームの中でも「上司」「一般社員」「新人研修中」などで少しずつ異なるアクセス権が必要なとき、細かい差分のために複数のプロファイルを作る必要があり、管理がどんどん煩雑になってしまっていました。
3.今後の権限管理
Spring '26以降は、権限セットと権限セットグループが中心になります。
これにより、1人のユーザーに複数の権限を段階的・柔軟に割り当てられるようになり、管理性が大幅に向上します。
また、Salesforceは以下のような新機能・変更も発表しています。
プロファイルでのアクセス権設定は非推奨になり、段階的に使えなくなる
新規オブジェクトや項目の権限は、プロファイルでは設定不可
「権限セットアシスタント」機能など、移行支援ツールの提供
4.移行に向けた3ステップ
権限セットでの権限管理への完全移行に備えて、私たちは今から何をすべきでしょうか?
以下の3ステップで整理するとスムーズです。
プロファイルの棚卸し
現在使っているプロファイルを洗い出し、どの権限が設定されているかを確認します。似たようなプロファイルが複数ある場合は、統合のチャンスです。
権限セットへの移行計画
プロファイルで設定されているオブジェクト・項目権限などを、権限セットに移行していく計画を立てます。「権限セットアシスタント」などのツールを活用するのも効果的です。
権限セットグループの活用
部署ごと・業務ロールごとに必要な権限セットをまとめた「権限セットグループ」を作成し、運用をシンプルに保てる設計を目指しましょう。
5.まとめ
Spring '26に向けて、権限管理の見直しは不可欠です。プロファイルから権限セット中心の運用に切り替えることで、柔軟性と管理性が向上します。今のうちに現状を整理し、計画的に移行を進めることで、今後の環境変化にスムーズに対応していきましょう!
また、今後のブログでは、今回ご紹介した「権限セット」「権限セットグループ」について、具体的な設定手順や実装のベストプラクティスを解説する記事も順次公開していく予定です。実際の画面や操作例を交えて、移行作業をスムーズに進めるためのポイントをわかりやすくお伝えしますので、ぜひご期待ください。
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